トランクルーム投資で土地活用をするメリット|経営方式の種類やリスクについて解説

土地活用として注目されるトランクルーム投資。高い利回りが期待できる一方で、「どんなリスクがあるの?」「自分に合った経営方法は?」といった懸念や疑問点が生じることも少なくありません。
本記事では、トランクルーム投資の具体的なメリットから、事前に知っておくべきリスク、そして適した経営方式の選び方まで解説します。投資を始める前に知りたい情報を整理し、土地活用のご検討にお役立てください。
そもそもトランクルームとは?
トランクルームとは、個人や法人が所有する荷物を保管するための収納スペースを貸し出すサービスです。自宅の収納スペース不足を解消したい個人の利用はもちろん、企業の書類や在庫品の保管場所として法人が利用するケースも増えています。
利用者は月々の利用料を支払うことで、専用のスペースを借りることができます。都市部を中心にトランクルームの需要は年々高まっており、空き地や建物の空室を手軽に活用できる方法として、投資家の注目を集めているのが特徴です。
トランクルームの種類
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トランクルームは、大きく「屋内型」と「屋外型」の2種類に分けられます。
屋内型は、建物内の空間をパーテーションなどで仕切り、収納スペースとして提供するタイプです。空調設備が整っていることが多く、温度や湿度の変化に弱いデリケートな荷物の保管に向いています。
一方、屋外型は、屋外に設置されたコンテナタイプです。車の乗り入れがしやすく、大型の荷物やアウトドア用品などの収納に便利です。
それぞれ特徴やメリットが異なるため、土地の形状やターゲット層に合わせて選ぶことが基本となります。
トランクルーム投資の仕組み
トランクルーム投資の仕組みは、所有する土地や建物を活用して収納スペースを生み出し、それを荷物の保管場所として利用者に貸し出すことで、毎月の利用料を収益として得るビジネスモデルです。
施設の建設から運営までオーナー様自身で行う方法だけでなく、既存の建物の一部や土地を事業者に貸し出して地代を得たり、運営全体を専門業者に任せたりと、オーナー様の関わり方によって、様々な経営方式があります。
いずれの方式でも、得られた収益から必要な経費を差し引いた金額が、オーナー様の収益となります。トランクルーム投資の経営方式については、後ほど詳しく解説します。
トランクルームの市場規模
トランクルームの市場規模は、近年右肩上がりの成長を続けています。
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トランクルーム市場は拡大傾向にあり、今後も安定した成長が見込まれる分野です。この背景には、都市部への人口集中による住宅の狭小化や、ミニマリズムの浸透による一時的な荷物保管の需要増加などがあります。
また、企業の書類保管やECサイトの在庫置き場などの法人利用も増えています。さらに、都市部の地価高騰やリモートワークによるオフィス縮小の動きも需要の増加に影響しており、今後も底堅いニーズが期待できる投資市場と考えられます。
トランクルーム投資と不動産投資の違い
トランクルーム投資は、アパートやマンション経営といった一般的な不動産投資とは異なる点がいくつかあります。
主な違いは、初期投資額と管理の負担です。トランクルームはコストがかかる水回りなどの住宅設備が不要なため、建築費用を大幅に抑えられます。
また、入居者対応のような人的なトラブルがほとんどなく、管理の負担が少ない点もメリットです。一方で、アパート経営で適用される「住宅用地の特例」といった税制上の優遇は受けられないため、税金に関する知識は別途必要になります。
トランクルームの経営方式の種類
トランクルーム投資を始めるにあたり、ご自身の状況に合わせた経営方式を選ぶことが重要です。経営方式は、オーナー様がどの程度運営に関わるかによって、大きく3つの種類に分けられます。
- 土地貸し方式
- 一括借り上げ方式
- 管理委託方式
それぞれのメリット・デメリットを理解し、リスク許容度やかけられる時間などを考慮して、最適な方式を選択することが成功の第一歩となります。
土地貸し方式
土地貸し方式は、所有する土地をトランクルーム事業者に貸し出し、地代収入を得る経営方式です。
事業者側が施設の設置から運営、管理まで全てを行うため、土地のオーナー様は手間をかけることなく安定した収入を得られることが利点です。投資リスクを抑えたい方や、運営に時間を割けない方に適した方法といえます。
ただし、事業者へ土地を貸す形になるため、ご自身で運営するよりも収益性は低くなる傾向にあります。ローリスク・ローリターンという方針の場合に適した方式です。
一括借り上げ方式
一括借り上げ方式は、土地のオーナー様が建設したトランクルーム施設を、事業者が一括で借り上げて運営する方式です。「サブリース方式」とも呼ばれます。
この方式の最大のメリットは、空室の有無にかかわらず、毎月固定の賃料収入が保証される点にあります。そのため、安定した収益計画を立てやすいのが特徴です。
管理や運営は全て事業者が代行するため、手間もかかりません。ただし、収益は保証される一方で、満室稼働時の最大収益は得られない点には注意が必要です。
管理委託方式
管理委託方式は、施設の所有権はオーナー様が持ち、集客や清掃、契約管理といった日々の運営業務を専門の事業者に委託する方式です。経営の主体はあくまでオーナー様自身であるため、収益性が高く、運営の自由度も高いのがメリットです。
一方で、空室が発生した場合のリスクはオーナー様が直接負うことになります。また、事業者に対して管理委託料を支払う必要があります。事業ノウハウを学びながら、積極的に収益を追求する場合に向いている経営方式といえるでしょう。
トランクルームで土地活用をするメリット

トランクルームでの土地活用が投資家から注目されるのには、その背景にほかの不動産投資にはない数多くのメリットがあるためです。
ここでは、トランクルーム投資ならではの具体的なメリットについて、詳しく解説していきます。
高い利回りが期待できる
トランクルーム投資は、ほかの土地活用と比較して高い利回りが期待できる点が大きなメリットです。アパートやマンション経営のように高額な建築費用や設備投資コストを削減できるため、初期投資を大幅に抑えられます。
少ない投資額で事業を開始できる分、投下資本に対する収益の割合、すなわち「利回り」が高くなる傾向にあります。特に、屋外型のコンテナを設置する場合は費用を抑えやすく、効率的な収益化を目指せるでしょう。
経年による賃料の減少幅が小さい
アパートやマンションなどの居住用不動産は、築年数が経過するにつれて建物の価値が下がり、家賃も下落する傾向にあります。しかし、トランクルームは「収納スペース」という機能自体が価値であるため、建物の新旧が賃料に与える影響は限定的です。
そのため、経年による賃料の減少幅が小さく、長期的な事業計画を立てる上で、安定した収益を維持しやすい非常に有利なポイントとなります。
設備費用が軽微で建築費用が抑えられる
トランクルーム投資が始めやすい理由の一つに、初期費用を抑えられるという特徴があります。特に、アパートやマンション経営で必須となるキッチンや浴室、トイレといった高額な水回り設備が不要です。これにより、建築費用を大幅に削減することが可能になります。
更地に屋外コンテナを設置するだけであれば、比較的容易に事業をスタートできます。初期投資のハードルが低いことは、初めて土地活用に取り組む方にとっても大きなメリットです。(※建築確認申請は取得します。)
設備の維持コストを抑えられる
トランクルーム経営は、運営にかかるランニングコストが比較的抑えられることもメリットです。居住用不動産で発生しがちな、退去時の原状回復費用や給湯器など設備故障時の修繕費といった突発的な出費がほとんどありません。
主なランニングコストは、定期的な清掃費や巡回費、屋外照明などの電気代、集客のための広告宣伝費などです。これらの費用は予測しやすく、計画的な運営が可能になるため、収支の見通しを立てやすいのも特徴です。
長期的な収益が見込める
トランクルームは、一度契約すると長期間利用される傾向が強いサービスです。頻繁に荷物を出し入れする手間や、別の場所へ移動するコストを考えると、利用者は簡単には解約せず、継続した利用を選ぶことが多いといえます。この利用期間の長さが、安定した収益の基盤となります。
また、前述の通り市場自体が成長傾向にあるため、今後も底堅い需要が見込まれるでしょう。利用者の定着率の高さと市場の将来性を踏まえると、長期にわたって安定した収益を期待できる投資といえます。
管理の負担が少ない
トランクルーム投資は、アパート経営などと比べて管理の負担が大幅に軽減されるのが特徴です。その理由は、あくまで「モノ」を相手にするビジネスであり、隣人トラブルといった人的な対応がほとんど発生しないためです。
給湯器や壁紙(クロス)の交換といった煩雑な対応はなく、利用者は居住しているわけではないため、修繕や居住者対応などで苦労されている不動産オーナー様にも適した投資対象といえるでしょう。
主な管理業務は清掃や設備の点検、問い合わせ対応などですが、これらは専門の管理会社に委託することも可能です。オーナー様自身が直接動く場面が少ないため、副業として取り組む方や、手間をかけたくない方にも適しています。
トランクルーム投資で土地活用をするリスク

多くのメリットがあるトランクルーム投資ですが、ほかの投資と同様に当然リスクも存在します。事業開始後のリスクを適切に管理するためにも、事業に伴うリスクを事前に把握し、対策を講じておくことが不可欠です。
長期契約ならではのリスクがある
トランクルームの利用者は一度契約すると長く利用する傾向があり、これは安定収入の基盤となる大きなメリットです。しかし、この「長期契約」が、市場の変化に対応しづらくなるというリスクの側面も持ち合わせています。
例えば、周辺地域の発展によって賃料相場が上昇した場合でも、既存の長期契約者に対して一方的に値上げをすることは容易ではありません。そのため、新規募集の区画は相場に合わせた高い賃料で貸し出せても、大半の既存区画は低い賃料のままとなり、得られるはずだった収益機会を逃してしまう可能性があります。
事業開始時の慎重な賃料設定が、長期的な収益性を左右する重要なポイントとなるでしょう。
空室による収益低下の可能性がある
どのような土地活用にも共通するリスクですが、トランクルーム投資も空室によって収益が計画を下回るリスクを抱えています。常に満室が続く保証はなく、稼働率が想定よりも低い状態が続けば、収益は大きく低下してしまいます。
特に、周辺の人口や住宅環境といった立地条件を見誤ったり、近隣の競合店の調査が不十分な場合、利用者が集まらない事態に陥りかねません。ローン返済などの固定費は稼働率に関わらず発生するため、事業計画を立てる際は、事前の入念な市場調査と現実的な稼働率の設定が必須です。
競合店舗との価格競争に巻き込まれる可能性がある
トランクルーム事業は比較的参入障壁が低いとされているため、収益性の高いエリアには新たな競合店舗が出現する可能性があります。近隣に競合が現れると、利用者を獲得するために価格競争に陥りやすくなります。値下げ競争が始まると、当初見込んでいた収益性を維持することが難しくなるでしょう。
価格だけでなく、セキュリティの強化や施設の清潔さ、キャンペーンの実施など、他社との差別化を図る戦略が求められます。
稼働率の上昇には時間がかかる可能性がある
トランクルーム事業はアパート経営と比べて、部屋稼働率の上昇に時間がかかるとされています。その背景には、主に認知度の低さ、利用ニーズの変動、競合の存在などがあります。特に、オープン直後は利用者に存在を知ってもらうまでに時間がかかり、安定した稼働率に達するまでにはある程度の期間が必要です。
例えば、アパート経営の場合、新築物件は完成前から入居者募集を開始できるため、早期に満室となるケースも少なくありません。一方、トランクルームはオープンした後に、その存在が地域に認知されてから利用者が徐々に増えていくという特性があります。
そのため、アパート経営と比べると稼働率の立ち上がりが緩やかになる傾向があり、この「安定稼働に至るまでの時間」が事業開始当初のリスクとなり得ます。
トランクルーム投資で土地活用を成功させる方法

トランクルーム投資のメリットを最大限に活かし、リスクを最小限に抑えるためには、押さえておくべきいくつかのポイントがあります。無計画に事業を開始しても、安定した収益を得ることは難しいため、しっかり抑えておきましょう。
成功の重要な要因は、パートナーとなる「事業者選び」、収益の土台となる「土地の見極め」、そしてご自身の状況に合った「経営方式の選択」です。ここでは、これらの成功確率を高めるための具体的な方法について解説します。
信用できるトランクルーム事業者を選ぶ
トランクルーム投資を成功させる上で、パートナーとなる事業者選びは事業の成否を分ける要素の一つです。特に、一括借り上げや管理委託方式を選択する場合、事業者の集客力や運営ノウハウが収益に直結します。
これまでの運営実績や管理体制、担当者の対応などをしっかりと確認し、信頼できる事業者かどうかを見極めることが欠かせません。複数の事業者の提案を比較検討し、長期的に安心して任せられるパートナーを選ぶことが求められます。
トランクルーム運営に相性のよい土地かを見極める
所有する土地が、トランクルームの運営に適しているかどうかの見極めは非常に重要です。周辺に住宅街が広がっているか、前面道路の交通量は十分か、車でのアクセスは容易か、といった立地条件が稼働率を大きく左右します。
また、近隣に強力な競合店舗が存在しないかも事前に調査すべきポイントです。土地のポテンシャルを最大限に引き出すためにも、専門の事業者に相談し、プロの視点から市場調査をしてもらうことをおすすめします。
状況に合った経営方式を選択する
トランクルーム投資には、前述の通り「土地貸し」「一括借り上げ」「管理委託」といった複数の経営方式があります。どの方式が最適かは、オーナー様の状況によって異なります。
例えば、リスクを抑えて手間なく始めたい方は土地貸しや一括借り上げが、積極的に収益を追求したい方は管理委託方式が向いているでしょう。ご自身が投資にかけられる時間やリスク許容度、期待するリターンなどを総合的に考慮し、最も合った経営方式を選択することが成功への近道です。
トランクルーム投資は信頼できる事業者選びが大切
ここまでトランクルーム投資の仕組みからメリット・リスクまで解説してきましたが、成功における重要な要素は、信頼できるパートナー、すなわち専門のトランクルーム事業者を見極めることです。
土地のポテンシャルを最大限に引き出す市場調査や、安定稼働を実現する集客力、日々の運営管理には専門的なノウハウが不可欠です。
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